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TPPと農業

人が生きていく上で絶対必要なものは「衣・食・住」だと良く言われます。
しかし衣と住は必ずしも必須ではありません。
確かに日本のように「冬」がある国、寒い国では衣や住が無ければ死んでしまいますが、人類発祥の地であるアフリカとかで未だに原始的な生活をしている人達は、素っ裸です。
住にしたって一定の場所に堅牢な家を人間の手で作って住み始めたのは、長い人類の歴史から見ればごく最近の事で、それまではほら穴だったりしたわけですよ。
こう考えると、「食」こそが人が生きるに必要不可欠である事が分かります。
原始人も現代人も、「食」無しで生きられた人は居ません。

つまり現代においても「食」の生産、つまり農業・畜産業・漁業などが一番大切なんです。
いくら金があっても、綺麗で寒さを凌げる服を沢山持っていても、広くて頑丈な家に住んでいても、石油があっても電気があっても、食い物が無ければ死んじゃうんですよ、人間ってのは。

日本は食料自給率が非常に低いです。
この食料自給率の算出の仕方には異論がありますが、例えば日本以外の国が全て滅んでしまったとして、日本国内で生産できる食料だけで今の日本の人口を養えるかといったら、十分養えると自信を持って言える人って居ないと思います。
世界中で毎日餓死者が出ているにも関わらず、日本はお腹いっぱい食べる事ができ、しかも味や品質にもこだわれるほど食料が豊富なのは、海外から食料を輸入できているからです。

しかし先の例ではありませんが、何らかの事情で海外から食料が輸入できなくなったら、どうしますか?
俺だけは、俺の家族だけは食いっぱぐれないと言い切れる人がどれだけ居ますか?

TPPで日本の農業が壊滅してしまう事を心配している人はある意味正しいのですよ。

しかしだからといって、TPP不参加とか今のままの農業政策で良いという事もありません。
今の日本の農業政策は、これ以上農業を衰退させないという現状維持のための保護や補償を行っているに過ぎません。
だから農家を甘やかしてるという批判が出るのです。
それに現状維持ではいざという時に国民が飢えます。
日本は世界一犯罪が少なく、平和な国と言われていますが、それは日本人が崇高な民族だからではもちろんありません。
国民全員・・・とは言いませんが毎日の食い物の心配をしなくて済む人が圧倒的に多いからです。
日本人といえど、明日食う物が無いとなればおとなしくそのまま死ぬ事はないでしょう。
震災などで救援物資を奪い合わないのは、日本全土が壊滅したわけでなく、救援物資が死ぬまで何も来ないという事は絶対にないという日本社会への信頼や安心感があるからです。

江戸時代の身分制度で有名な「士農工商」ですが、これは「士」の部分を除いて、未来永劫正しい制度とも言えます。
人間が生きる上で必要不可欠な食料を作る人間こそが一番偉いし必要なのです。
食料以外の物はあくまで生活を豊かに楽にするための補助をしているにすぎず、ましてや自らは何も生み出さず、他人の作ったもので金儲けをしてるような商は最低の人間なのですよ。
もちろん現代社会においては、食料が十分にあるという前提ですが、工はもちろん商も士も必要な職業です。
ですが農より偉いとかそういう事は絶対にないんです。
ましてや権力者、例えば王様とか兵士とか古代より偉そうにしてますが、農民の作る食べ物が無ければ生きられないわけで、偉くもなんともない、むしろ人の作ったものを搾取して生きてるだけの寄生虫のくせに偉そうにすんなってのが真理ですよ。
わかりますか?政治家や官僚のみなさん。

まず農業の現状維持を目的とした金のばら撒きは止めなさい。
農業を発展させるような税金の使い方をする政策をしなさい。
国の存亡は食料をどれだけ安定供給できるかが一番重要なんですよ、軍備とか資源とかお金とかより。
それができていれば、TPPだろうがなんだろうが怖くないはずなんです。
ただでさえ足りてない日本の食糧自給率がもっと下がる事に、本能的な危機感を持ってるから二の足を踏むんでしょ?
ならばなぜその本能に従って、農業を保護するのではなく発展させる方向へと舵を切らないのでしょうか?
野菜工場なんてのが既に実験段階なのかもしれませんが、稼動もしていますよね?
最近なんかそこで事故が起きたかなんかでニュースにもなってましたし。
そういうものへ税金を投入するんですよ。
工場で作られた野菜なんて・・・って言う人も多いですが、工場で作られようが食い物が無いより沢山あった方が良いに決まってます。
味とか品質とか、そういうのは十分な食料が生産できたうえで論じればいいことです。
中国の危険な食品事情、それは中国人自身も分かっている。
分かっているのにそういう危険なものを買う人が居るから、いつまでたっても改善されない。
当たり前です。
危険と分かっていても食わなきゃ死んじゃいますから、買わざるおえないんです。
そういう世界に日本をしたくないなら、まだ日本が十分な食料を確保できているうちに、国内の生産量を上げるべきです。

日本は資源が無いために戦争を始めたと言われますし、それは事実でしょうが、当時の日本は今ほど豊かではなく、毎日の食い物にすら困る人が沢山いたから、政府が「戦争しまーすwww」と言っても反対が少なかったんですよ。
現代の日本で、攻め込まれたら別ですが、なんか中国とか韓国とかうぜーから戦争してぶっ潰しますwwwとか言っても、誰も賛同してくれないでしょう、反日左翼が敵対視して弾圧しているネトウヨとかいう右よりな人達でさえ。
だって食えてますから。
食えてるのにわざわざ死の危険を冒すような行為は、誰だってしませんよw

テロだって結局のところ、指導層は別でしょうが、末端の死に役は食えないような貧乏な人が殆どですよ。
食えないから戦わざるおえないんですよ。

こんな簡単なこと、実はみな分かっているはずなのに、富を独占したいがためにあえて目をつぶって、テロを撲滅するにはどーしたらいいんでしょうねーなんて下らない議論をしてるんです。

そもそも富みとは、イコール「食料」でもあります。
資源も高い技術で作られた高性能な工業製品も、食い物が十分にあってこそ価値を発揮できるわけですから。

世界経済が不安定でいつか崩壊するであろう事を誰しもが感じとってるのは、人類社会が生産可能な「食料」の量以上の金が世界に出回っているからです。
本来は世界の富は人類社会が生産できる「食料」の量とイコールでなければならないんですよ。
それが一番安定して健全な経済です。

いろいろ書きましたが人間はもっと「食」の大切さを再認識すべきですって事です。

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