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SAOは実現可能か?

作者自身がかなりのネットゲーマー、特にMMORPGに精通してた事もあり、素人の作品ながらもその緻密な世界設定で爆発的人気を得て、ラノベ化後にアニメ化までされた「ソード・アート・オンライン」略して「SAO」。

これにハマった人なら誰もがこんなゲームやってみたいと思ったでしょう。
もちろん限りなくこれに近いMMORPGはかなり困難ですが、作れないことはないでしょう。
ただし、他のMMORPGと同じようにパソコンのモニターで見て、キーボードとマウスで操作するならばの話です。

でもこれじゃあ意味ありませんよね?
やはりあの頭に被って人間の脳に直接視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚の五感情報を与え、更には脳から発せられる運動命令を体に伝える事無く拾い上げてゲーム内に反映させる。
これは恐らく10年20年後にできるような技術ではないと思われます。

そもそもこれらを実現するには、人間の脳の仕組みをほぼ完璧に解明する必要があるからです。




その昔、工業高校なんかだと今も買わされて授業で使われているかもしれませんが、ポケットコンピュータというプログラム機能の付きの計算機の高級機みたいなのがありました。
シャープやカシオなんかが争って開発していましたが、その中でシャープのポケットコンピュータのある機種が、なんと非公開ながらマシン語が使えるという事が発見されました。
驚く事に、この00~FFまでの16進数の数字の羅列で表されるマシン語を、何の手がかりも資料も無しに、有志がすべて解明してしまった事があります。

少しでもプログラムやマシン語、アセンブラというものをやった事がある人なら、これがどんなにすごい事が分かるでしょう。

マシン語の命令はもちろん、内部RAMの構成やI/Oポートの配置や機能も含め、何一つメーカーは技術情報を公開していない中で、命令をひとつひとつ正確に解析したんですよ。

これがどうSAOのナーブギアと関係あるんだと思われるかもしれませんが、人間の脳を解析するのも同じ事です。
特に人間の脳は、人が人工的に作ったものではありませんから、ヒントや手がかりはまったく無いのです。

人間が作った、脳に比べたら遥かに低機能で単純な仕組みのコンピュータのCPUの解析でさえ、ものすごく大変なのに、人間が作ったものではない、しいて言えば神が創ったとでも言いましょうか、そんなものを解析するなんて不可能に近い事がわかるでしょう。
もちろん今現在も人間の脳の研究は行われています。

この辺に刺激を与えたら音楽が聞こえた、どうもこのエリアは音楽を記憶しているらしいとか、その程度までは進んでいるようですが、どういう刺激を与えたら意図した画像が見える、音が聞こえる、臭う、味がする、冷たい・暖かい・柔らかい・硬いなどの感触を感じさせられるのか?

まずは人間の脳に休み無く送られている神経信号を全て解析するところから始まります。
DNAの解析なんかより遥かにパターンや量が多いでしょうから、基本となるこれらの解析だけでも、私が生きているうちに終わらないと思ってます。

それら全てが解析できたとして、次にじゃあどうやって例えば画像を見せるか?という問題が出てきます。
恐らくコンピュータの画像と同じように、人間の目が、というか脳が認識できるぎりぎり最小の単位のドットで構成されることになるでしょう。
パソコンのモニターは2次元ですが、脳に送る場合は完全に三次元にしなければなりません。
つまり原子・・・よりはもう少し大きい単位で、色・硬さ・耐久度・冷たいのか暖かいのかなどいろんな情報を持たせた三次元ドットで世界を構成することになるでしょう。
ちなみにパソコンをはじめとしたコンピュータの画像のドットは、RGBという光の三原色がそれぞれどのぐらいの明るさで光っているかという程度の情報で構成できます。
これにさらに硬さだとか温度だとか重さだとか、そういうものを追加しなければならないわけですから、とてつもないメモリやHDDの容量が必要になるし、CPUの処理能力も当然それらを扱える・計算できるだけのパワーを要求されるでしょう。
これはクライアント・サーバー双方でです。

またネットゲームですから通信でこれらをやり取りするわけです。
世界を構成するデータはローカルに保存させておくにしても、今までのようにX/Y/Z座標の移動情報やアイテムを使った、敵と戦ったなどの行動命令を遥かに超える量のデータのやり取りが予想されます。
今個人で使える一番高速な占有型の光回線でも無理でしょうw

物理法則エンジンも今より遥かに高度でなければなりません。

よく3Dのゲームでもあるいは初音ミクで有名になったMMDでも、見た目はリアルでもなんか重量感や質感が嘘っぽかったり、手が服を突き抜けたりと不自然さが目立ちます。
これを限りなく現実に近くするには、今のように骨格の間にテクスチャを貼る方法では無理です。
先に述べたように、コンピュータの画像が2次元の■つまりドットで構成されているのように、三次元のドット(と言えるかわかりませんが)単位で世界を構成する必要があります。

リアルの世界が原子の集まりで構成されているように、そこまで細かくする必要はありませんが、それに限りなく近い構成で作らないと真のバーチャルリアリティは実現できないって事です。

それと作中では、脳からの神経への刺激=信号をナーブギアが遮断して、リアルの体が動かせないとの表現がありますが、これも完璧に遮断してしまったら、そもそも呼吸できないし、心臓も動かせないし、新陳代謝など、人間の生命維持に必要な最低限の事もできなくなってしまいます。
すなわち睡眠時に脳から発せられているのと同じような信号は遮断すべきでないってことで、遮断すべき信号とそうでない信号を取捨選択しなければならないわけです。
それも1秒の遅れも無く。
じゃないと死んじゃいますからねw

こんな事から、作中ではたった一人の大天才が開発したことになってますが、ITの知識だけでなく、医学や物理学など幅広い分野が連携して研究しないと、たとえ人間の脳が解析されても無理でしょうw
軍事的な利用価値があれば別ですが、たかがゲームごときにこれら他分野が協力してくれるとはとても思えませんw

ちなみに作中では2024年という西暦表記が出てきますが、私の予想ではおそらくそれより1000年後に実現できているかいないかってとこだと思います。
つまり西暦3000年以降も人類がまだ地球上で生活できていて、なおかつゲームなんて余興を楽しむ余裕がある場合に、もしかしたらそんな形態のゲームが出来上がっているかもしれないって事ですよ。

近い将来必ずこういうゲームが出てくるはずと思っている人も居るようですが、よく考えれば、どれだけ困難な技術かわかるでしょw
もちろんいつかはできる技術でしょう。
でもいまこのアニメやラノベを見た・読んだ人で実際にそれが実現できた時まで生きていられる人は居ませんよってことです。

まぁ来世に期待しましょう、あればの話ですがw

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