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現在の3Dの欠点・限界

いまやパソコンのみならず、家庭用のゲーム機のゲームでさえフル3Dが当たり前の時代になりました。

しかしながら、まだ架空の小説やアニメや映画の世界の話である「完全な仮想現実」には程遠いものばかりです。
映画「マトリクス」やアニメ・ラノベで有名な「ソード・アート・オンライン」や「.hack」等々と、今の3Dゲームの大きな違いは、人間の脳に直接見せる・聞かせる・感じさせる事ができるというのもそうですが、3Dオブジェクト(3Dで表示される人体や木や水やそういった個々の物の事)の質感がまずぜんぜん違います。

もちろん、高額な3Dソフトで作った画像はものすごくリアルです。
しかしそれらはあくまで光や影あるいは解像度などの見た目だけです。

なぜなのでしょうか?



1.現在の3D画像の作り方

今の3D画像に質感が足りないのは、その作成方法が原因です。
骨格とかフレームとか言われる線で構成された外枠を作り、それらで囲まれた平面に「テクスチャ」と呼ばれる2次元の「模様」を貼り付けて作るからです。

つまりリアルの世界で言えば、「ハリボテ」なんですね。
だから3Dのオブジェクト同士が重なると、「突き抜け」てしまったり、あるいは服とかも厚みが無い、まるで紙でできているかのような薄っぺらさしか感じられない。
ゲームで3Dオブジェクトが破壊されるたりする場合も、ガラスが割れて飛び散るかのような表現しかできないのです。

ではどうすれば見た目だけでなく、真にリアルな質感を持った3Dが作れるのでしょうか?




2.原子・分子を再現する

リアルの世界は原子あるいは分子という3Dの球体が沢山集まって構成されています。
だから物には重さがあり、突き抜けたりせず、厚みもあるわけです。
よって、コンピュータで作る3Dもこれを模倣する必要があるのです。

「仮想現実」というのは、お手本は「現実」なんですよ。
「人工的」に作られた「現実」と言い換える事もできます。

今の2Dの画像が「ドット」と言われる色の付いた四角い点で構成されているように、3D画像も原子や分子とはいかないまでも、「ドット」に相当するような、人間の目で認識したり感じたりできるぎりぎり最小より少し小さい3次元的な球体で構成する必要があるってことです。
ちなみに目で見える最小の球体では、当たり前ですが「球体」の集まりに見えてしまうわけで、それでは意味ありませんから、今の2D画像のドットと同じように、普通に見る分にはそれらが集まって構成された物体が、真っ直ぐな線やデコボコのない完全な円に見えるぐらいの大きさにする必要があります。

そしてリアルの世界と同じくそれら最小の「球体」は破壊不能にするのです。
何か物が壊れる表現をする場合は、あくまでそれらの球体の集まりがバラバラになるだけで、「球体」そのものはその形を保ったままにするわけですよ。
リアルの世界もそうでしょ?
原子力みたいに「核分裂」でもさせないかぎり、「原子」がそれより小さい単位に分解というか破壊される事がないのと同じです。

また球体同士はくっ付く事はあっても、めり込んだり突き抜けたりは決してしないようにする。

こうすれば安い3Dソフト、初音ミクで有名になったフリーの「MMD」のようなもので作るとよくある人体が服を突き抜ける現象は無くなります。

じゃあ水などの液体はどうするんだ?というのが出てくると思いますが、これらもあくまで「水」を構成する「球体」を突き抜けたり破壊するのではなく、別の「球体」で構成された3Dオブジェクトの進入によって、別の場所に移動させられるという風にすれば良いのです。

リアルの世界だってそうでしょ?
バケツに貯めた水に手を入れると見た目は水を突き抜けたように見えますが、別に水を構成する「H2O」つまり水素や酸素の原子を突き抜けているわけでも、あるいはその分子を引き剥がして破壊したわけでもありません。
単純に「手」が存在する部分にもともと居た水の「分子」が別の場所に「移動」しただけですよね。

理屈は分かったし、確かにそうだ。
じゃあなんでできないのか?やらないのか?




3.コスト・処理能力の問題

リアルの世界と同じように「原子」や「分子」に相当する破壊不能の「球体」で3D画像を構成しようという考えは、何も私が思いついた事ではありません。
コンピュータの知識がある人や3D画像を作ったり、よりリアルな画像を作る方法を研究している人なら、誰でも思いつく事で、実際にそういう作り方の3Dは研究もされていますし、一部では実用化も始まっています。

ならなぜ一般のゲームレベルまで落ちてこないのか?

それは実現には非常に高い計算処理能力が要求され、またデータが膨大な量になるからです。

今現在のフレームとテクスチャで構成する方法で作られた、すごく綺麗な3D画像で有名なスクウェアの「ファイナル・ファンタジー・オンライン」というゲームがあります。
あれでさえ、最高の画質で最速で動作させるには、いま普通にお店で買うことのできる一番高額で高性能なCPUやグラフィックチップ、そしてこのゲーム以外では使われる事はないであろうと思われるぐらいの大量の「メモリ」を載せたPCでやっとできるかできないかってレベルです。

3Dの破壊不能で重さや温度や、それ以外のリアルの物体が持っている様々な特性を持たせた「球体」のひとつひとつに対して都度計算を行っても止まったりフリーズしないぐらいの高い処理能力のCPU、またそれら全てを置いておけるだけの大きさのメモリが、今のパソコンはもちろんですが、機能を限定することでパソコンよりも高性能にしても低価格にできる家庭用ゲーム機でもできない事が分かります。




映画やPVやCMなどの一部ではこういう方法で作られた画像・動画は見れますが、それらは専用の何百万・何千万もするコンピュータで、数ヶ月という時間をかけてやっと作られたものなんで。

その速度は落ちたとはいえど、今もコンピュータの性能は日進月歩で向上はしていますので、いつかは一般のゲームにまでこれらの技術が使われる日は来るでしょう。

今から10年なのか20年先には「ハリボテ」じゃない真の「3D」を日常的に見れる日が来るといいなぁって話です。

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