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歴史とは、諸刃の剣である

銀英伝みててふと思った。
歴史とは諸刃の剣ではないかと。

人間が地球の他の生物と大きく異なる事のひとつに、「歴史」を持っているというのがある。
他の生物は基本的に遺伝子でしか子孫に何かを伝えられないが、人間だけが「歴史」というもので後世にいろんな事を伝える事ができる。
ここで言う「歴史」は、何年何月何日に誰が何をしたとかいう、受験勉強で「これ覚えて何の役に立つのか?」っていうものだけじゃない。
例えば現代の科学技術の基礎なんかもそうだ。
我々は先祖が発見した様々な事象があって、はじめてより高度な発見・発明が行えるのだ。
このような複雑な事象は当然ながら遺伝子などで伝える事はできない。
言葉や文字を持つ人間だからこそ、細かく正確に後世に伝える事ができ、だからこそ驚異的なスピードで進歩してきた。

「歴史」はこのように人間を遺伝子などによる「進化」よりも、速く効率的に「進化」させられるのに役立つ一方で、実は自分達自身を滅ぼしてしまう危険性もある。

反日思想などというのものは、過去に日本がアジアを攻めたという「歴史」が残っているからこそ起こるもので、それによって子々孫々にまで「憎しみ」を残す事になり、下手すればそれがまた「戦争」に繋がる事にもなる。
人間以外の動物は「あの群れはかつて俺らの先祖の縄張りを荒らした憎むべきやつらだ」とかって理由で争ったりしない。

「歴史」があるから、民族同士の対立、戦争・紛争がいつまで経っても無くならないのだ。
「歴史」があるから、勝者はいつまでも驕り高ぶり、敗者は卑屈になる。

仮にどっちが悪かったとか、誰が悪かったとか、そういう主観や感情を抜きにした、正しい歴史の教え方・学び方をしたとしても、やはり先祖がやられたという「歴史」はくやしいし、先祖が大勝利したという「歴史」は誇りに思ってしまうのが人間なのだ。

このように「歴史」とは人類の発展に大きく寄与する一方で、衰退や滅亡へと進む原動力にもなりえる。
諸刃の剣というわけだ。

その事を人類は理解したうえで、正しく学び、活用すべきだと考える。

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