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出版業界はなぜ同人誌を取り締まらないのか?

音楽業界とは対照的に、出版業界が権利を持つマンガ・ラノベ・アニメの二次作品、いわゆる同人誌はまったく著作権の取り締まりが行われていないと言っても良い状況です。

にも関わらず、音楽業界とは対照的に出版業界は(たぶん)儲かっています。
自身が著作権を持つものを、本だけでなくアニメや関連グッズなどマルチに展開しているというのもありますが、それだけではこれだけ多くの作品や、次々出てくる新作を人気にする事はできません。

出版業界が著作権を持つ作品の売り上げや人気、あるいは新しい作家・作品の登場に「同人」界が果たしている役割を、この業界は理解しているのだと思います。
そもそも最近は「本」自体の売り上げは相当苦労しているはずです。
音楽業界と同様、コンピュータとネットの発展により、紙媒体の専売特許が失われつつあるからです。
漫画やイラストは、今では必ずしも紙に書かなければいけないわけではないし、小説もWeb小説というのがあるように、必ずしも400字詰め原稿用紙に書かなければいけないものでもなくなりました。
需要が減れば、それに関連した業界が衰退します。
例えば製紙業や印刷・製本業です。
これらと出版業界は強い結びつきがあり、それらが衰退してしまえば出版社の本業である「本」を安く作る事ができなくなってしまいます。
同人誌は、コミケなどを見れば分かりますがメインは紙媒体の本です。
特に人気の高い「エロ同人誌」が「薄い本」と言われるように、同人誌作りは製紙業・印刷・製本業にとって、いまや無くてはならない貴重な新規顧客となっていることでしょう。
だから同人誌の取り締まりができないのです。
著作権を盾に、わずかばかりの利権を守ったところで、失うものの方が大きい。

また新人クリエイターの育成にも、マイナスである事も分かっているのでしょう。

音楽にしろ小説にしろ絵にしろ、最初からオリジナルのすごい作品が作れる人など居ません。
そもそも人間は生まれから最初に勉強する「言葉」ですら、「親」の口癖を真似るところから始めるように、この世の全ての技術・製作物は先人の真似から始まるのです。
音楽業界はこの先人の真似を禁じました。
そりゃ才能ある新人アーティストなんて育つはずありません。
他人の真似をしている人達全員が、オリジナルのすごい作品を作れるプロになれるわけではありません。
しかし、他人の真似を禁じれば、その確率はほぼ0になります。

そもそも出版社もレコード会社も、てめーら自身で作品を作って売ってるわけじゃなく、才能のある個人の作り出したものに乗っかって商売をしているだけの、寄生虫にしか過ぎないのです。
その寄生虫ごとき連中が、あたかも自身の当然の権利であるかのように、「著作権」を振りかざしているだけなのです。
寄生虫は宿主が居なければ生きていけません。
その宿主の首を絞め、あらたな宿主の誕生を阻害して、どうして生き残れましょうか?

著作権は大事です。
誰しも自分の権利を勝手に他人に利用されて金儲けされたら、そりゃ腹が立つのは当然です。
なので手放しになんでもかんでも見逃せとは言いません。
取り締まるべきものは取り締まり、見逃すべきものは見逃す。
例えば漫画についていえば、海賊版と言われる、プロの作品を勝手にそっくりそのままコピーして翻訳して海外で売るとか、アニメでも同じですが放映権の無い奴が勝手に録画したアニメに翻訳字幕を付けて海外に無償でも流すとか、そういったものはどんどん取り締まるべきです。
しかし、二次作品と呼ばれるものは確かに一部は既存作品を無断利用ですが、一次作品の権利者に与える損は限定的です。
むしろ宣伝にすらなる場合もあります。
そういったものは、行き過ぎないよう監視しつつも取り締まりもしない。
それがやがて自分達寄生虫の大きな餌になる、太らせて食べるの方針で見て見ぬふりをする。
それが賢いやり方だと思うのです。

これが音楽業界と出版業界の大きな方針の違いです。

というか現在の人類社会は、この寄生虫どもが力を持ちすぎだと思うんですよね。
自らは何も生み出さず、他人の作ったものを右から左へ流すだけの、士農工商で言う最低ランクの商人どもが、一番金を稼ぐのは健全じゃないと思います。
著作権というのは、本来は「工」の利益を守るためのものであるはずですが、「商」の利権を守るために利用されているだけに見えます。
人類社会は、もっと「クリエイター」を大切にすべきですし、育てるべきです。

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