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霊感とは何か?

世の中には「霊」が見える人というのが、少なからず存在する。
もちろん、幻覚だったり嘘を付いている場合もあるだろうが、全てを否定する事もできない。
なぜなら、科学の世界では「無い」と証明できていないものは、「無い」と言えないからだ。

仮に「霊」というものが存在したとして、なぜ見える人と見えない人が居るのか?

そもそも人間というのは、目で見たものを正確にそのまま脳で認識していない。
「盲点」という言葉があるが、あれは実際に医学用語で目の中心辺りにある、本来ものを見る事ができない点である。
人間はその「盲点」の部分を「脳」が補完する事で、あたかも目の前のものが全て見えているようにしているだけなのだ。
この「見えていない」ものを「見えている」と認識する「脳」の機能は、逆に言えば「見えてる」ものを「見えてない」と処理している場合もあるかも知れないのだ。

これが「霊」が見える人と見えない人が居る事の、理論的な説明になりうるのではないかと思う。
人間にとって、「霊」というよく分からないうえに、触る事もできないものが見えると生活に支障が出る。
だからあえて見えていても、脳が見えていないように処理しているのだろう。
犬とか猫とか、人間以外の動物はそれらが見えていると思われる行動を取る時があるが、人間の場合は脳が高度に発達したがために、逆に「見えない」ように処理する事ができるようになったのだと思う。

人間は動物の中では「力」が弱い方である。
人間より腕力のある動物はいくらでもいるし、目や耳が人間より優れているものも居るし、足の速さなども人間が一番ではない。
つまり目で見えている情報を全て処理していたら、間に合わない、生き残れないのだ。
だから不必要な情報は、あえて「見えない」事にしているのではないのか?

「敵」だと思って逃げたり構えたりしたら、実はそれは「霊」であって、無害・・・かどうかは分からないが少なくとも物理的に危害を加える事はできない存在であった。
そちらに気を取られている隙に、本物の「敵」に襲われ死んでしまいましたでは、話にならない。

人間が地球上の生命の中でもっとも優れているのは、「脳」だけである。
「脳」以外の脆弱さを補うために、情報の取捨選択を行い、より効率良く素早く的確な判断ができるように進化したのだろう。
その過程で得たのが「盲点」の部分の「補完」と、「霊」など生きるうえで不必要な情報の削除なのだと思う。

「霊」が見える人は、脳が正直すぎるのかも知れない。
実際、そういうものが見える人は、非常に苦労が多いという話も聞く。

人間の脳のように、「補正」機能のないカメラなどの機械によく「霊」が映るのも、このような理屈なのかも知れない。

われわれは「盲点」があるにも関わらず、すべてが見えていると認識している。
病気でもなければ、あやしい薬も使ってないのに、常に「幻覚」を見ているも同然なのだ。
その逆パターンが「霊」が見えるか見えないかなのだと思うという話。

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