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ルナティック ドーン(Lunatic Dawn)

ルナティックドーン

ルナティックドーンは、アートディングの作ったシナリオ自動生成型RPGである。
アートディングもシステムソフトと同じく、主に「シミュレーションゲーム」を作っていた老舗であるが、ライバル(?)の「ティルナノーグ」というRPGへの挑戦に触発されたのか、同じくシナリオ自動生成のRPGを作ったようだw

「ティルナノーグ」よりかなり後発なので、グラフィックやシステム面では洗礼された感じになっているが、やはりRPGを得意とする日本ファルコムなどのものと比べると、グラフィックやスクロールや操作性などの面では、まだまだという印象が当時あった。

「ティルナノーグ」が一応はゴールのあるシナリオが毎回作られるのに対して、「ルナティックドーン」は明確なゴールはない。
そういう点では、現代のMMOに近いかもしれない。
ただし「リアルさ」を重視するアートディングは、キャラクターを不老不死にしたりしない。
そのため、プレイ中の時間経過に応じてキャラクターは歳をとるし、敵にやられなくても寿命で死んだりもする。
寿命で死んで「冒険者」としての一生が終わるとゲーム終了というかクリアな感じ。

この「冒険者人生」を「シミュレーション」するというスタイルは、「天下御免」の「江戸商人人生シミュレーション」と同じである。

「ティルナノーグ」よりも理不尽さや難易度は低いが、それでも今のMMOや日本製RPG(海外ではJ-RPGなどと言われる)に比べたら、はるかに難易度は高い。
ドラクエなどように、スタートの町の周りでモンスターを倒して経験値やお金を稼ぐという事ができないからだ。

スタート直後のプレイヤーは、スライムにすら勝てないような装備や能力しかないw
それに敵を倒してお金や経験値を稼ぐというプレイは、できなくはないのだろうが、非常に困難だ。
なにせプレイヤーは食事も睡眠も必要としており、そのための宿代や食事代が、フィールドではあまり会わない敵で稼ぐというのは、効率的に向かないからだ。

ではどうやってお金を稼いだり、経験値を得るのかというと、「宿屋の主人」から「依頼」を受けて、それを達成する事での報酬でお金を稼ぎ、それを街中の「訓練所」で使って様々な技能を身につけるのだ。
この「依頼」もプレイヤーの現在のレベルに応じて紹介はしてくれないので、自分で達成できそうか見極める必要がある。
一番簡単なのは、MMOなどでもお馴染みの「お使いクエスト」だ。
「ここから南西の方角にある屋敷の主人に、このアイテムを届けてくれ」とか、そういうもの。
報酬は少ないが、これをやらないと生活できなくなるw

こうして安くて簡単な依頼をコツコツこなしつつ、お金がある程度貯まったら「訓練」で強くなる。
そうすると、徐々に敵との戦闘ができるようになり、「○○退治」みたいな高額で難易度の高いクエストを達成できるようになる。
といった具合だろうか。

「ルナティックドーン」は、世界MAPまで毎回構成が変わる「ティルナノーグ」と違って、世界の形や街の配置などは固定である。
毎回異なるのは、出てくるクエストの内容と、ダンジョンなどがクエストに応じて自動生成されるので、いくら固定の世界MAPでも探索したところでダンジョンは発見できないし、そこで稼ぐ事もできない。

つまり「変化度」(?)は「ティルナノーグ」に劣る。
しかし「自由度」という面では、「ルナティックドーン」の方が上という事になる。
なにせ明確な目的とか、最終ボスが存在しないわけだから、自由に受けたいクエストを受けて、習得したい技術を習得して生きられる。

戦士とか魔法使いとか僧侶とか、明確な職業もないのだ。
剣でも魔法でも戦えて、回復魔法も使えるなんて万能勇者になる事も理論上は可能であるw
「ティルナノーグ」は主人公の種族はほぼ戦士系で固定されており、変化を出すにはどういう仲間を使うかだけだ。

まぁでもどちらが面白いとか、どちらが優れているとかいうのは無い。
そもそも一見すると同じ「シナリオ自動生成型RPG」であるが、コンセプトがまったく違うからだ。
どちらも面白いし、難しいし、RPGゲームとしての操作性やバランスなどはどちらもRPGメーカーの作った純RPGには劣るw

あと「ルナティックドーン」はアートディングの作品にしては珍しく、パラメータがかなり細かく数値で見えるというのもある。
基本的に「リアルさ」に拘るアートディングは、リアルの世界では明確に見えない数値は表示しない傾向がある。
「天下御免」でも、主人公の魅力や知力や、用心棒の武力などが数値としてはあるのに、そんなもんリアルの世界でだって見えないだろって事で、見る事はできなかった。
見ることができるのは、リアルの世界でも見える「売り上げ」とか「給料」などのコストとか、そういうものだけだ。
しかし流石にRPGでそれではゲームにならないと思ったのか、腕力だの体力だの知力だのが珍しく数値として見える。
ただし「経験値」は見えないので、あとどんぐらい訓練すれば次の魔法や技術を覚えられるかは分からないって所はある。

でも個人的にはそこも拘ってほしかった。
まったく見えないのではゲームにならないかも知れないが、リアルの世界でも「あいつは足が速い」とか「あいつは頭良い」とか、そういう「評価」はある。
なので「SUPER野球道2」の選手能力の表示の仕方みたいに、英字の5段階評価とか、あるいはもうちょっと細かく10段階評価ぐらいで示すって方式でも良かったと思う。

プロ野球選手でも、「足が超速い」なのか「足は速い方」なのか「普通」なのか「あんまり速くない」なのか「遅い」なのか、5段階評価ぐらいでしか、人は認識できない。
コンピュータゲームのように、人の能力を完璧に数値化して表すなんて事はリアルの世界では不可能でも、この程度の何段階かのおおまかな「評価」という形は存在するわけで。

まぁどちらにしろ、もう何十年も前のゲームなので、続編がどうなっているかは分からないが、もしまだ続編を新たに出し続けてるようなら、検討してもらいたい。
「リアルの世界で見えるものは見せるが、見えないものは見せない」というスタイルは、コンピュータゲーム業界の中にあっては、非常に珍しく貴重な存在であり、それこそがアートディングだと私は思うからだ。

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