ダービースタリオン
ダービースタリオンとは、コンピュータゲーム界に「競走馬育成シミュレーション」という(当時)新しい分野を作った名作である。
育成シミュレーションとは言っているが、ダービースタリオンシリーズ(以下 ダビスタ)は、種付けで馬の能力は決まってしまい、調教というのは、能力を上げるというより、能力や調子をその馬が持っている最大値までもっていくためのものである。
従って、いくら激しい調教を長期間行っても意味はないw
競走馬というのは3歳になるとレースに出られるようになる。
その3歳前半は育成期間で出られるレースが無いので、その間にちょっとだけ調教をがんばって能力を上げる事はするが、基本的にはそれだけ。
このシリーズのゲームは、「いかに優れた遺伝子の組み合わせを作るか」ということと、「いかに馬の適正を見極め、好調へ持っていく、維持するか」が目的である。
従って、いくら調教師が「良い仕上がり」「これで負けるなんてあり得ないっすよwww」とか言っていても、その馬の適正(主に種馬となった父親の特性を引き継ぐ)にあったレースを選択し、評価の高い優秀なジョッキーに乗ってもらえても、GⅠレースで勝つのは非常に難しい。
なぜなら、GⅠで勝てる馬かGⅢぐらいまででしか活躍できない馬かは、もう種付けの時点で決まってしまっているからだ。
このゲームは今でも続編が出るほどなので、今まで紹介してきたレトロPCゲームと違って、誰でもプレイできる。
なので、初めてプレイする人は既存の育成シミュレーションのように、調教を重視するだろう。
そしてネットでその情報を漁ろうとすると、なかなか出てこない。
種馬の能力や、配合に関する情報は沢山出てくるのに。
なんで?と思うかもしれないが、これがその理由なのだ。
この種付けの時点で、才能が決定されるのはリアルの世界の競馬も同じだ。
そしておそらく、人間も同じだと思う。
勉強が得意でない両親からは、学者は生まれないし、スポーツが苦手な両親からオリンピック選手は誕生しないのだw
このように人間のリアル人生ゲームも、生まれた時にすでに才能自体は決まってしまっているので、育成ゲームではなく適正を見極め、調子を整えるのが目的のダビスタと同じ種類のゲームなのだ。
自分が向いている分野を見極めて、学生時代までにその能力の限界まで勉強したり練習したりはするが、その後はいかに優秀な配合(笑)の出来る相手を見つけられるか、いかにレースという名の仕事で好調を維持するかなのだ。
そんな事を、このゲームをやると思えるようになるかも知れないw
イチローは(最近だの大谷選手かw)は、生まれた時にすでにイチローだったのだよ。
すごい練習してイチローになったのではないという事だ。
まぁ馬と違って、人間は速く走る以外の目的が沢山あるので、距離や馬場(プロレスラーではなく、レース場の地面の種類の事)の適正だけ見極めれば良いのに比べて、難しいだけ。
というか、距離や馬場というたった2種類の適正でさえ、リアルの競馬の世界では見極めるのは難しい。
ゲームのように数値化されてないしね。
ましてや、様々な「才能」の種類がある人間はなおさらだ。
そんな事を思ったという話。