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ソード・アート・オンライン

ネットワークゲームの一種であるMMORPGを題材とした、近未来SFものの先駆け、そして新しいSFのジャンルを開いたとも言える作品です。

日本では既にこのソード・アート・オンライン(SAO)の他に、.hackや一番新しいのだとログ・ホライズンでしょうか、どでもかなり人気を博した作品が続々と登場しています。

タイムマシンやワープ航法など、古くからあるSFの技術はここ最近まじめに研究されていますが、このバーチャルMMOを実現するための技術の研究を大真面目にやっている人は居ません。

3DCGもヘッドマウントディスプレイもモーションキャプチャも、すべて既存のコンピュータゲームの発展系にすぎません。

人型ロボットでさえ、やっとこさ二足歩行が、本気で鉄腕アトムを作ろうとしたHONDAの研究者達によってASIMOが実現したぐらいです。

これらからわかるように、真の意味での仮想現実、これらを本気で研究する人は、あと10年か20年か30年経たないとそもそも出てこないし、そういう人が出てこないかぎり、既存の技術の発展系として実現することはあり得ません。

これらの研究者に共通している事は、みな子供の頃の作り話であるSF作品に強い憧れを抱き、その気持ちを大人になるまで持続させる事のできている人々って事です。

従って登場してからまだ日の浅いVRMMOを実現するため、本気で研究を行う人というのは、それらを見て育って、本気で大人になったら絶対作ってやると強く憧れた人が、実際に既存の専門的な知識を身につけた研究者の卵として大学なり大学院なりを卒業しないと、行われないって事ですね。

3DCGの分野などはかなり発展しており、最近ではリアルの写真と比べても遜色のないものも登場しています。
処理スピードさえなんとかできれば、上下左右360°のリアルな景色をリアルタイムで視線などの動きに合わせて見せることも可能でしょう。
しかしながら現在の3DCGの技術は、あくまで2D上に擬似的に表現したものにすぎません。
アニメーションと同じく、視点や角度を変えた、あるいは動いた場合に見える画像を、人間が考えて1枚1枚書くのではなく、コンピュータの計算によって自動的に生成しているに過ぎないのです。

だから1枚の写真として、あるいはPVなどのようなカメラ視点での動画などはリアルに見えても、実際にゲームの中で見ると、どこか薄っぺらさや不自然さが残るのです。

これが一番よくわかるのが、何か物体(ゲームやCGの世界ではこれをオブジェクトと呼びます)が破壊された時の動作です。
まるでガラスが砕け散ったかのような表現しかできません。
これは3DCGが質量を持たないハリボテで作られるという手法が、創世記より変わっていないからです。
現在のリアルな3Dの映像は、2Dのコンピュータグラフィックがその構成要素であるドットをより小さく細かくすることで、リアルさを増して来た歴史と同じく、ハリボテの骨格をより細かく増やすことでリアルさを増してきたためです。

初期のフル3Dのゲームとして有名なバーチャファイターや初代FF7のゲーム画面を見ればわかりますよね。
今のリアルな3DCGと大きく違うのは、細かさなんです。
カクカクの尖がった顔が、リアルの写真かと見紛うかのごとく滑らかな曲線になったのは、それを構成する骨格がより細かくなっただけなのです。

真の意味での3Dを実現するには、オブジェクトを骨格と、骨格に沿って貼るテクスチャーと呼ばれる模様のついた紙っぺらで作るのではなく、3Dのドットで構成すべきなんです。
つまりリアルの世界と同じく、球体もしくは立方体でオブジェクトを生成する必要があるんです。
これらオブジェクトをハリボテではなく2DCGがドットで構成されるのと同じく立方体で構成しようという研究も進んでいますが、まだまだ実用化は遠いようです。
いや、そういったデモCGは見たことありますが、それが民間のゲームなどにも手軽に採用されるレベルまでは進んでいないという意味です。
データ量も増えるし、計算処理も現在のハリボテ3Dの何倍も、何十倍も必要になるからでしょう。

そして私が一番危惧しているのが、既存のMMORPGが衰退の一途を辿っている事です。
私が一番最初にはまったMMORPGはウルティマ・オンラインというものです。
3Dですらない、擬似3Dの2Dのゲームでしたが、グラフィックの質こそ高くなったものの、いまなおこのMMOを超えるリアルで新しいシステムを実現したものは登場していません。

現実世界と同じく地の果てがないMAP、PCの家というユーザー作成オブジェクトが自由にリアルタイムにMAPに配置されるシステム、オブジェクトをX,Y座標だけでなくZ座標方向にも置ける、つまりアイテムを積み重ねる事ができるシステムなどなど。
アイテムの所持量もほぼ無限大です。
課金によって多少増やせるものの、銀行やバッグなどに入れて持ち歩けるアイテム数が少ない現在のMMORPGとは大違いですよ。
ちなみにウルティマ・オンラインは銀行などの倉庫も初期状態で持っているバッグも、保管できる最大アイテム数は255です。
つまり16進数2桁、1バイト分まるまる使えるわけです。
ひとつの倉庫・カバンでこれほどの量を持てるMMOは最大まで課金しても無いと思います。
さらにウルティマ・オンラインでは倉庫の中に新たな倉庫、カバンの中に新たなカバンを入れ、それらに別個にまた最大255個まで保管できます。
つまり254(1個は新しい別のカバン)+255個となるわけです。
このようにしてほぼ無限に保管数を増やせるという非常に優れたシステムを持っていますが、プログラミング技術、情報処理の技術、そして処理スピードやデータ保存容量などが上がった現在でさえ、こういったシステムを実装できているMMOはないんです。

加えて最近は本格的なPC用のMMOというのは殆ど作られず、特にコンピュータゲームの世界でそれなりの実績のある日本企業はソーシャルゲームばかり作っています。
ソーシャルゲームはユーザインタフェース、ユーザー側の媒体が小さいため、必然的に複雑なシステムや処理はできません。
その分手軽に作れる、未熟な技術でも作れます。

そういう楽して金稼ぐ事しかしない企業ばっかなんですよね。

たとえSAOのようなゲームが実現できるハードウェア環境や技術が揃っても、対応できるゲーム、それらを生かせるゲームを作れる企業が無いなんて事になるでしょうね、今のままならw

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