2ntブログ

王道とは

王道ストーリー、王道主人公、王道展開等々、これぞまさしく読者が求めているものど真ん中って意味でよく使われる。

現在のラノベ原作アニメも、あるいはラノベそのものが、ほとんどこの「王道」に沿っている。
「王道」から外れるものは、一部マニアとかにすごく評価されるかもしれないが、売れる事はない。
書店の売れ筋ランキングと、直木賞だのプロの作家が見て素晴らしいと思える作品が違うのがその証拠ではなかろうか?

この現象は「音楽」にも言える。
日本の歌謡曲、今は「J-POP」などと気取った呼び方がされるが、そういうものは時代によって「王道」な「コード」というのものが存在する。
小説でいえば、ストーリー展開とも言うべきこの「コード」というのは、音楽においては「和音」とも呼ばれるものだ。
メロディーというのは、基本的に伴奏となる和音に含まれる音で構成される。
例えば伴奏が「ドミソ」の和音の小節(楽譜で縦線で区切られる曲の構成の最小単位のこと)は、基本的にメロディーも「ドミソ」の音中心に構成される。
もちろんドミソ以外の音も入るが、それはあくまで「主」ではない。
この「王道」に沿った曲が所謂売れる曲になるのだ。

かつて小室全盛期の頃の曲とか、よく言われたがコード進行が毎回同じとかってのがそうだ。

ただこの「王道」も時代と共に変わる。
売れっ子には二種類居る。
「王道」をいちはやく感じ取ってそれを取り入れられるものと、「王道」を自分で作り出すものだ。

ビートルズは「王道」を自ら作り上げたアーティストで、それ以降のバンドの多くはビートルズの作り上げた新しい「王道」を取り入れただけにすぎないとも言える。

同様にラノベや漫画などもそうだが、「王道」を作ったものと、それをうまく取り入れたものの2種類の人間が居る。
ちなみに今の学園ハーレムものや、それに近いものの「王道」を作ったのは、売れっ子のラノベ作家ですらない。
あれの原型はPC-9801シリーズ用ゲーム全盛期の後期に現れた「ビジュアルノベル」と呼ばれるエロゲーです。
異世界ものも、「王道」はたぶん「指輪物語」あたりで既に作られていたと思う。
それを「ロードス島戦記」がうまく日本風にして、爆発的ヒットとなった。

ネットゲームの世界に主人公が引き込まれるタイプの異世界ものの「王道」を築いたのは、間違いなく「SAO」であろう。

「王道」に沿ったものは、たとえそれがどこかで見たことあるようなストーリーだったとしても、どこかで聞いたことあるようなメロディーだったとしても、売れてしまう。
安心できるし、心地よいからだ。

もっともこの「王道」が分かっていても、実際に売れる小説だの音楽だの作るのは難しい。
そこがまず「凡人」と「プロ」の違いになるのだろう。
そして「プロ」の中での力量差は、この「王道」を自ら築けるものと、そうでないもので分かれるのだと思う。

時代や地域を超えて支持されるアーティストというのが前者で、一発屋だとか昔は売れっ子だったが今ではそうでもないような人が後者だろう。

もっとも一概にそうとも言えない場合もあるが、「王道」ってのはだいたいこんな感じだと思う。

また最近はこの「王道」の入れ替わるスピードが速く、客が「王道」に飽きるまでの時間が短くなっているとも感じる。
ネットやパソコンなどの技術の進歩により、より速く、より多くの「王道」作品を客が享受できるようになったためだろう。
だからその分、飽きられるのも速い。
これが「異世界転生ものの禁止」に繋がっているのだろうw

そういった意味では、現代の情報化社会で活躍するプロの作家やアーティストは、大変だなぁとも思う。
(昔に比べてだが)簡単にプロになれるようになった一方で、売れなくなるのも早い。
ラノベのイラストで超売れっ子だった「いとうのいぢ」先生とか、最近その分野ではめっきり見なくなったし。
でもめげずに頑張って欲しいと、オタクな私は強く願います。

コメントの投稿

非公開コメント

カウンタ
プロフィール

ウホッ!いい男

Author:ウホッ!いい男
異世界転生を待ち続ける中高年のおっさん

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR