2ntブログ

エルフェンリートに見る日本と海外の価値観の違い

エルフェンリートという漫画及びそれを原作としたアニメがある。

これらは日本では極一部にものすごく高評価であるが、全体的にはクソアニメと評価されている。
ところが、海外ではエルフェンリートは非常に評価が高い。
理由はその内容の暗さ、グロさなどもあるが、一番はやはり「鬱エンド」という救われがたい物語の結末にあると思う。
メインヒロインが消滅してしまうのだ。
これが、多くの日本のオタクに受け入れられなかった最大の要因だと思う。
ところが欧米はそうではない。
「悲劇」として非常に高評価を得た。

これは日本人と欧米人の価値観の違いによるところが大きい。

その価値観の違いとは、日本人というのは世界でも珍しい「性善説」を信じる民族であるという点。
性善説というのは、人間は本来良い行いをするもの、良い心を持って生まれてくるものというものだ。
そしてこの性善説は人間だけでなく、「神」についても適用される。

創作の世界での神は作者だ。
従って作者も、基本的に「良い人」である事が求められているし、信じられている。
だから日本では主人公やその仲間は決して死なないし、死んでも生き返ったりすることが平気であるのだ。
そうじゃない漫画・アニメは鬱エンドとか呼ばれて、あまり評価されない。
欧米人にはこの日本の最後はみんなが幸せになってハッピーエンドが、非常に不自然で面白くなく感じるのだと思う。

大規模な災害に見舞われても、略奪行為が一切起きない(現実には起きてないわけじゃなく極端に少ないだけだと思うが)と世界に驚かれたりするのも、日本人が「性善説」に基づいて行動する民族だからである。
すなわち、「相互不信」が起きないわけだ。
こんなひどい状況を利用して、悪いことをする奴なんて居るはずがないというのが、一般的な日本人の心情。
逆にこんなひどい状況なら、悪いことをする奴が出てきてもおかしくない、と考えてしまうのが多くの海外の民族。
だったらやられる前にやっちまえとなるわけだ。

いってみれば日本人というのは性善説教の狂信者の集まりなのである。
自爆テロを行う一部の宗教の信仰を悪用する人間の、対極に居る存在なのである。

これらは国内においては、海外がうらやむほどの平和と安定をもたらすが、海外との関係ではマイナスである。
武器を持たなければ、攻撃や敵対の意思を示さなければ、攻撃されるはずがないと考えてしまう日本人の特性を利用されているのが、9条教だ。
日本の外交が全体的に弱腰であるのもそう。

世界は性悪説が一般的なのだ。
こちらがすきを見せれば、悪いことをする。
隙を見せた方が馬鹿というのが、今の世界の多くの人間の価値観だ。
そんな相手に、性善説で交渉して良い結果が出るわけがない。

日本は無宗教の国、無神論者の民族だと思われているが、そもそも宗教も神も必要ないのだ。
だってみんなが性善説に従って行動するから。
宗教の戒律だの掟だの、あるいは儒教だのが生まれた背景のひとつに、人間は悪いことができないように縛らないと、悪人が世にあふれ返ってしまうという性悪説的な価値観に基づく恐怖があったからだ。

いじめはいじめられる側にも原因があるのではないか?
そんな事を考えてしまう事があるのも、性善説のせいである。
すなわち、相手は本来は良い人間であるが、自分が何か悪い事をしたために相手を悪人にしてしまったのではないか?という。
性悪説では、こんな考えは生まれない。

このように長所も短所もあるが、私は性善説を本気で信じる日本人に生まれて良かったと思うし、変わってほしくもない。
ただ外国はそうじゃないという事を、もう少し肝に銘じておいて欲しいと思う。

コメントの投稿

非公開コメント

カウンタ
プロフィール

ウホッ!いい男

Author:ウホッ!いい男
異世界転生を待ち続ける中高年のおっさん

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR