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少数派(マイノリティ)の価値観は尊重しなくて良いのか?

ここ最近、価値観について色々述べてきました。
その中で、多数派の価値観こそが「善」であり、明文化された法律や宗教の教義、明文化されていない、あるいは罰則があるほどではない伝統やモラルやマナーや倫理になると書いてきました。

では少数派の価値観は無視して良いのか?
答えはノーです。
私がここ最近、多数派こそが正義という理論を展開してまで多数派の価値観に拘ったのは、少数派が失礼だからです。
最近の少数派は少数派である事を理由に、多数派に価値観を押し付けるのが、多数派が我慢するのが当然と言わんばかりの強引な主張が多いからです。

順番に説明しましょう。
まず少数派の価値観をなぜ尊重しないといけないか?
これは例えば「障害者」の待遇などで、その理屈が分かります。
「障害者」というのは現在は多くの国で、健常者よりも余分に保護される制度や法律やシステムがあります。
なぜ多数派の「健常者」が少数派の「障害者」のために我慢を強いられなければならないか?
これは、人道とか優しさとか、そういったあやふやな感情論で、そうしなければならないわけではありません。
人は誰しも自分が「障害者」になる可能性を持っているからです。
「障害者」というと、生まれつきのように思われますが、病気や事故や怪我で「障害者」になる人も多く居ます。
特に昔と違って医療技術が発達した現代では、腕や足を失うような大怪我を負っても、命は助かる場合が多いですよね。
だから昔と比べて、生まれつきではなく、人生の途中で「健常者」jから「障害者」になった人が増えたのです。
自分は絶対「障害者」にならないなんて言い切れる人は居ません。
つまり「障害者」を保護するのは、「自分自身」のためです。
自分がもし「障害者」になった時に、後悔しても遅いからです。
つまり「保険」と同じなのですよ。

例えば、車椅子の移動のためにスロープを作る、目の見えない方のための点字ブロックや点字で様々な表示、「健常者」よりできる仕事が限られ、稼ぐことが難しい&障害によっては永続的に高額な医療費が掛かる事もあり大変なので、障害者年金がある。
これらは我々の税金が主に使われますが、その分の税金を他へ使ったからといって、大して健常者に利があるわけでもありません。
また「障害者」の方へ手を貸すことは、介護のように永続的に全ての面倒を見るのでなければ、ちょっとした苦労や我慢でできる事が殆どです。
ちょっとした苦労や我慢をするだけで、良いことをした気分になれますし、まったくの損ではありません。

このように自分自身の将来の保険としてや、我慢や負担の度合いが目くじらを立てる程のものでもないもの、あるいはそれを行う事で自分も「良い事をした」という満足感や充実感を得られるものについては、大いにやるべきなのです。
結果的にそれが多数派の利にもなるのです。

ではなぜ少数派を批判したのか?
まずもって少数派の価値観を取り入れる事は、あくまで多数派の善意によるものであって、義務ではないという事を分かっていない人が多いからです。
義務でも仕事でもない事を、人にやってもらう時ってどうします?
「頼む」んですよね?
「頼む」ってのは上から目線で、やってもらって当然なんてしますか?
それはもはや「お願い」ではなく「命令」ですよね?
少数派が多数派に「命令」して従わせる事、人はこれを「独裁」や「絶対王政」などと呼びます。
不公平な「身分制度」もそうです。
ましてや、その「頼み」というのは、多数派に我慢や損を強いるものである事が多いです。
程度の問題ではありませんよ?
人として、誰かに我慢や損や苦労をかける場合、丁寧に相手にお願いし、そしてやってもらったらお礼を言うものです。
私が接客業をしている時に習ったのですが、人に何かお願いするときの一番丁寧な言い方は、「~して頂けますか?」です。
「~して下さい」は一見丁寧なようですが、命令形です。
大して「~して頂けますか?」は命令ではなく、相手の意思を問う疑問系であり、命令ではありません。
この辺、特に少数派の人は良く覚えておいて下さい。
政治的・思想・心情的、あるいは被差別者を語る者や障害者の方、日本在住の宗教の信者の方などなど。

言い方ひとつで、双方が気持ちよくなれるのです。
大した手間じゃない、たいした損はないとしても、日本人ならこの辺の事は礼儀として分かると思います。

シルバーシートに座ってる若者に、席を譲ってもらう時は、「すいませんが、席を譲って頂けませんか?」ですよ。
「てめー、若いくせに何座ってんだ!」じゃありません。
礼儀に年齢も地位も関係ないんですよ。
シルバーシートは空いている時は座って良いが、お年寄りや体の不自由な人が乗ってきて、他に座れる席がなさそうな時は、譲ってあげて下さいというものです。
つまり義務ではないのです。
あくまで人の「善意」に頼るものです。
そこを勘違いしている少数派の年配者が多いです。

年配だから偉い、障害者だから手助けしてもらって当然、マイノリティだから自分の意見が通って当然。
これがダメだと言ってるんです。

ましてやそれが法に関わるものなら、なおさらです。
「9条守れ」じゃないでしょ?
選挙の結果を見ても分かるように、護憲は少数派なのです。
しかも命令口調で、まるで改憲派は悪者か愚か者のごとく言う。
だから嫌われるし、賛同されないんです。
民主主義ってのは多数派が「正義」であり「善」なんですよ、いくらわめこうが屁理屈並べようが。
少数派の主義・主張は通らなくて当たり前なんです。
通す義務は無いんです。
それでも自分達の主義・主張を通したいなら、まず丁寧にお願いするところからはじめるべきでしょう。
そして、自分達が多数派になる事です。
丁寧にお願いし、説明し、説得し、「わかった、確かに君達の言う事のほうが正しい」あるいは「その程度の我慢や損で済むなら、いいじゃないか?」という「賛同者」を増やす事ですよ。
自衛隊が居なくても、在日米軍が居なくても、日本は9条さえ守っていれば、絶対に攻め込まれる事はない。
そういうなら、改憲派が「確かにそうだな」と納得できる根拠を示すべきです。
その上で、丁寧にお願いすべきでしょう、少数派なのですから。
護憲派が多数派なら、「9条守れ」「改憲なんて許さん」でもいいですよ。
そもそも9条さえ守っていれば絶対大丈夫だという、根拠を示せてないですよね?
理由も理屈もなく、ただ反対反対と喚くだけで、多数派になれるはずもないし、主張も通るわけがないでしょ。
むしろそういう態度が少数派をより少数派にし、多数派の反感をより強めるのです。

枝野さん、質問時間を多数派より少数派の方に多くまわせというなら、まず多数派の自民党にお願いするべきですよ。
あなた方は選挙で当選したとはいえ、少数派なのです。
少数派だから質問時間が多いのは当然である!じゃないでしょw
そんなんで本当に自民が折れると思ってるんですか?
丁寧にお願いし、どうして少数派の質問時間の方が多くないといけないのか?多数派にも利がある、あるいは害は少ない、確かに一理あるなと納得させられる理論を、押し付けでなく説得として展開し、それで最後に「いかがですか?」でしょ。
枝野の言う事には一理も二理もあるし、我々がそれによってこうむる損害も目くじらを立てるほどじゃない、むしろ我々がこれを聞き入れない事の方が損が大きい、誠意を尽くしてお願いしている相手を無下に扱う事も日本人の良心が許さない。
となれば、100%通らなくても、半分は通るかもしれないじゃないですか?

少数派はまず自分達は少数派であるという事を認識すること。
そして自分達の主義・主張が通らないのは、「当然」であるという民主主義の理念を理解すること。
どっちが偉いとか、権利だとか義務だとか、そういうものを盾にとって「戦う」のではなく、あくまで「お願い」に徹する事。
相手を納得させうる丁寧な説明をする事。
そして、最後にできれば自分達の主義・主張が支持をされ、多数派になる事。

多数派が注意すべき点は、自分が絶対に少数派にならない保障はないという事を覚えておくこと。
その上で、多数派だからと聞く耳を持たないのではなく、少数派の意見を良く聞いて、このぐらいなら我慢できるというものであれば、あるいは自分が少数派になった時に、このぐらいはして貰わないと生きていけないかもしれないという予測と、そういうものを考慮して、聞き入れられるものは聞き入れる事です。
全てを受け入れる必要はありませんし、「~しろ!」なんて失礼な命令調のものや、理論的な説明が一切ない単なる感情論であれば、聞く必要はないです。

これが少数派も多数派も、お互いが気持ちよく生きていける社会を作れる一番の方法だと思います。

そもそもこの世に全ての面において常に多数派に立てる人間は居ません。
ここまで言うと、馬鹿にされそうですが、私は転生を信じています。
現世は豊かな日本の中流家庭に生まれる事ができましたが、来世はアフリカの飢餓に苦しむ世界や、あるいはスラム街のどうしようもない家庭に生まれ代わるかも知れない。
そうなった時に困らないよう、飢餓や貧困の根絶が必要だと感じています。
かわいそうだとか、高尚な使命感だとか、そんなもんじゃなくて良いのです。
自分の将来の為、保険でいいんですよ。
そういう風に全人類が考えられる時が来れば、本当の意味で平等で差別や格差の無い社会が実現できるでしょう。
転生を証明するのはおそらく不可能ですけどねw
そもそも人間に生まれ変われるかどうかすら分かりません。
猫かもしれないし、人間に食べるためだけに育てられてる牛や豚になるかもしれないし、あるいは蚊になって殺虫剤を浴びて短い一生を終える事だってあるかもしれませんw

余計な事でしたねw

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