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AIについて そもそもコンピュータとは何か?

AIというのはコンピュータの使い方の進化形とも言える。

ではそもそもコンピュータとは何か?

コンピュータは大規模な「計算機」であると言われる。
しかし単に数字の計算をするだけなら、電卓でも良いわけだ。
電卓とコンピュータの一番の違い、それは「データ」の存在だ。

電卓というのは、人間がその時に入力した数字の計算しかしない。
入力された数字や計算結果は、次の計算をする際には綺麗さっぱり消してしまうからだ。

しかしコンピュータというのは、メモリやHDDなどの記憶装置を持つため、入力された数字や計算結果を「記憶」しておける。
これが「データ」の正体であり、電卓とコンピュータの一番の違いだ。

私はかつて、コンピュータを使った企業のシステムの構築に携わる仕事をしていた。
そこで感じたのは、コンピュータシステムの中核には必ず「データベース」があるということ。
「データベース」というのは、文字通りデータを管理・運用するコンピュータのアプリケーションやシステムだ。
企業内部の売り上げ管理や、従業員名簿もそうだし、店舗を持ってるような会社だと店から毎日送られてくる売り上げデータなんかも、この「データベース」に収められる。
「データベース」は単にデータを大量に貯められるだけではない。
その大量のデータを分析したり、任意の条件に当てはまるものを素早く探し出したりできるし、そういう使い方をしてこそ「データベース」は生きるし、コンピュータシステムはその真価を発揮するのだ。

「データベース」は法人運営だけでなく、ゲームの運営でも使う。
ネットゲームのサーバの中心は「データベース」だ。
ユーザーのIDやパスワードはもちろん、キャラクターのステータスや所持品など全て「データベース」に保管されている。
これがダメになってしまうと、ネットゲームはサービスを継続できない。
クライアントとのやり取りや、敵との戦闘を処理する計算プログラムなんぞ、不具合とかハッカーの進入によって消えてしまっても、すぐに復旧できる(きちんとバックアップがある事が前提だが)。
しかし「データベース」を消されてしまったら、完全に元の状態に戻すのは不可能だ。
最新のバックアップを取っていた時点までしか戻らない。
ネットゲームで「巻き戻り」というのが良くあったが、それがこのゲームの実際の処理がトンでも完全にその時点の状態を復旧できるが、データがトンだらその時点での状態を復旧するのは不可能という証拠だろう。

さて、コンピュータというのは「データ」を扱える事こそが、その最大の特徴であるのは分かって頂けたと思う。
ではAIとは何か?
AIと言えば「人工知能」と訳されるので、人間の思考そのもをコンピュータで再現して、人間と同じ動きをしたり会話をしたり、あるいは日本人的な考え方だが、「心」を持ったロボットを作るのに必須なものだと思われている。
しかしメディアが必死にAIはすごい進歩したとか、AIに仕事を奪われるとか騒いでいる今のAIは、「人工知能」にはまだほど遠い。
今のAIというのは、今までのコンピュータプログラムが一歩だけ進化した状態にすぎない。

今までのプログラムというのは、プログラムされた通りの動きしかできなかった。
例えば今までの工業ロボットは、プログラムされた以外の事を自分で判断して動きを変えるなどができない。
なので、例えば食品を作るようなロボットだと、その日の気温や湿度などによって、煮たり焼いたりする時間や火加減を微妙に調節しなければならないのに、プログラムにそういう処理が無ければできないのだ。
これがAI搭載ロボットになると、気温や湿度のセンサーが搭載されていればの話だが、特に人間が「気温や湿度によって、適切な火加減や時間を調整しなさい」とプログラムしておかなくても、勝手に自分で学習して、最適な火加減や時間で商品を作ってくれるといった具合だ。
人間が「自分で判断」するのと同じ事が出来るようになったので、AIに仕事を奪われる、AIが反乱したら人類は滅ぶなんて事まで言われるのだ。

しかしながら、確かに「人間の知能」の模倣に成功はしたが、それはほんの一部でしかない。
そもそも人間は、コンピュータより遥かに膨大なデータを、遥かに高速に処理して生きているのだ。
人間は生まれてから今まで、見たり聞いたり嗅いだり味わったり触れたりしたもの全てを実は記憶していると言われている。
そしてその膨大な「データ」を今のAIより遥かに高度に高速に計算処理した結果が、様々な言動に繋がっているのだ。
「女の勘」というのがあるが、あれは別に超能力とかでなく、蓄積された膨大なデータから高速で答えを導き出しているにすぎない。
相手のわずかな普段の言動との違いを見分けて、「うそをついてる」とか「浮気してる」とか、今のAIでも適わない膨大なデータの計算処理の結果を出したにすぎないのだ。

AIは確かに進歩したが、まだまだ「人工知能」と呼ぶには程遠い。
そもそも、人間自体が自分自身の事を完璧に分かっていないのに、人間の「脳」のようなものが作れるのかって話もある。
AIは自分で新たな「データ」を作ったりする事はできない。
人間が提示したデータを、人間より遥かに沢山の量を遥かに高速に分析したり計算して結果を導き出す事ができるにすぎないのだ。
新しい発見や発明は、人間にしかできないのだ。
もちろん、既存のデータから人間がまだ発見したり発明したりできていないものを、人間より早く「気づく」事は可能だ。
しかしそれらは、あくまで人間が積み重ねて記録してきた「データ」があってこそなのだ。
難病の原因や新たな治療法や、あるいはいまだ人類には不可能な技術である「ワープ」や「タイムマシン」の理論なども、もしかしたら人間より早く発見・構築するかもしれない。
しかしそれは、それを可能とする、人間が入力した「論文」や「実験結果」などのデータがあってこそだ。
まったく関係のない論文や実験結果の組み合わせで、新たな発見や理論の完成をAIがしたとしても、それはいずれ人間も行えたという事で、単に気付いていなかったに過ぎない。

AIはパズルのピースが揃っていれば、人間より早く完成させる事ができるが、ピースが足りなければ完成できないのだ。
人間のように、「あれ?どっかで落としたかな?」って探したり、あるいは「もういいや、自分で作っちまおう」って事はしないし、出来ないのだ。
これが今のAIの限界である。

AI同士が謎の言語で会話をし始めて、恐ろしさを感じた技術者が停止してしまったなどと言う話もある。
それも人間が本気で最も簡単で効率的な「言語」というものを開発しようとしたら、100年かかるか1000年かかるか、あるいは1万年ぐらいかかるかも知れないが、そのAIが使っていた超高度で効率的な「言語」を作り出せたであろうという事だ。

AIは「高性能な人間」にはなれるかも知れないが、人間を超えた存在、「神」にはなれない。
AIによって人類が滅びるというはあり得ないと言い切れる根拠は、これなのだ。
AIによって人間の仕事は全て無くなるというのもあり得ない。

今年のノーベル賞受賞者も言ってるように、メディアを簡単に信じない事だw

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