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天下御免

天下御免

「天下御免」とは、ARTDiNK(アートディング)が作ったPC98のDOSベースのシミュレーションゲームである。
ARTDiNKというメーカーは、PCゲームの割と初期の頃からあるメーカーで、一番有名なのは「A列車で行こう」シリーズだろうか。
歴史もので有名な光栄や、戦争もので有名システムソフトなどと並んで、日本におけるPCシミュレーションゲームの御三家とも言える。

光栄やシステムソフトなどに、それぞれ得意分野や特徴があるように、ARTDiNKにも「他がゲーム化しない、コアでマニアックな分野をゲームにする」というものがあるw

この「天下御免」も、光栄であれば戦闘のある歴史シミュレーションにしたであろうが、ARTDiNKの場合は江戸時代に江戸の町で生きた商人の人生をシミュレーションしたものにしている。

日本各地から特産品を船で買い付けに行って江戸に運び、そして店で売るという、まぁ貿易がメインのゲームである。
江戸時代までの日本は、今の都道府県の単位で「国」であった。
従って、独立した国であった今の都道府県との「貿易」が成り立ったのである。
今でも日本各地に、その地の名産品みたいなのはあるが、それを買ってトラックで東京に運んで店で売っても、「貿易」とは言わないと思うw

プレイヤーは様々な物品の専門の問屋、例えば海産物問屋とか、時代劇でおなじみの呉服問屋とか、酒問屋や油問屋、薬問屋など、およそ考えられる&当時本当にあったであろう問屋のひとつになり、それで江戸随一の大商人になるのが、一応の目的である。

最初は世話人を雇うところから始まる。
世話人は居なくてもゲームは進行できるが、居た方が何かと口利きなどで物事が安く進んだりする。
まぁ現代で言えば、事務次官まで行った元官僚とか、警察OBとか、あるいは民間大企業の元取締役社長だった人とか、そういう一定の世界に顔が利く、相談役みたいなもんだろう。

この世話人に船大工を紹介してもらって、船をまず作る。
高速船と千石船があるが、基本的に作る船は高速船で良い。
なぜなら、どんなに金持ちになっても1回の買い付けで預けられる買い付け予算金は1万両であり、一部の商品を除いて船倉がいっぱいになるまで、それで商品を買い付けられる事はまずないからだw

そして船ができたら、やはり世話人に紹介してもらって船頭を雇って、資金を持たせて「堺」へ商品の買い付けに行かせる。
戻ってきたら、その商品をお店で売る。
基本的にこれの繰り返し。
幕府の役人や、今で言うところの大使館みたいな役割をしていた各藩の江戸屋敷に行って、賄賂贈って幕府直轄の港や、各藩の港で、安く大量に特産物を買い付けられるようにして、更に儲けるというのが、しばらくすると出てくる。
しかし、はっきり言って最初から権利を持っている「堺」の港での買い付けだけで、十分儲かるw
堺の港には、商人の町と言われるだけあって、全国各地から大量の品物が集められており、各地の港と違って、あらゆる商品が無限に買える。
違うのは「仕入れ値」が、大阪商人(ゲーム中では上方商人)が間に入るので、原産地で直接買い付けるより多少高くなるってだけ。

往復する時間を1月程度で早く、しかもどんな商品でもいくらでも仕入れられるので、わざわざ多額の賄賂を使って全国各地の港の寄港権を得る必要はないw
むしろ自分と同じ商売をしている、ライバルの権益を侵して妨害し、自分のシェアを伸ばす目的の方が大きいと感じた。

なので基本的には、江戸の自分の店の在庫が切れないよう、堺との間で常にピストン輸送をして、資金に余裕が出てきたら、ライバルが寄港権を持ってる港へ割り込んで、独占を妨害する感じ。
これだけでシェアはどんどん伸びる。
もうひとつ、シェアは在庫が無ければ当然その分売り上げが減るばかりか、顧客が他のライバル店の顧客になってしまうが、在庫の多さも関係してるっぽい。

常に1000しか商品の在庫が無い店より、常に1万の在庫を持ってる店の方がシェアは高くなる。
シェアが高ければ、それだけ売れるので儲かるし、なにより町娘とケコーンする条件にもなってるので、是非とも早いうちにシェアNo.1を目指したいw
やっぱり男なら、いくら美人でも20過ぎの行き遅れのBBA(当時の寿命から言ったらの話で、今の時代なら十分若いがw)より、16歳のピチピチの若い子を嫁にしたいだろうw
最初に居る町娘の美女達は、若いうちに嫁にするのは、ものすごく困難w
だがそれらが、プレイヤー以外の町人や商人の嫁になると、新しく若い子が登場するので、それを狙うw

あとこのゲームは清く正しく以外の商売方法も用意されている。
それが「抜け荷」だ。
江戸の商人が取引する事を「幕府」によって禁じられている、海外の幕府の拠点の港へ、こっそり商品を買い付けに行って、そのままだと当然店先では売れないので、ヤクザという裏家業の人に高値で買い取ってもらう。
「抜け荷」は見つかれば、当然タイーホされるが、見つからなくても「あそこの店は抜け荷やってるらしい。悪い商人だ。」との噂が広まるのか、評判が著しく落ちる。
その代わり、一回の貿易でめちゃくちゃ儲かる。

そもそもご禁制の品を積んできた船が帰ってきたら、すぐにヤクザさんに引き取ってもらえば、いくら奉行所やおかっぴきの査察が入っても、何のお咎めも受けないw
だって証拠品が無いんだからw
攻略サイトには、抜け荷やるなら奉行所やおかっぴきに賄賂送って万が一見つかっても、お咎めなしになるように保険をかけておいた方が良いと書いてるところもあるが、私はまったく必要ないと思うw

抜け荷専門の悪徳商人として、江戸随一の大金持ちになる事も可能だが、このゲームはプレイヤーが寿命で死んだ後に、閻魔大王が出てきて、それまでの人生によって、地獄行きや天国行きが審判されるコーナーがある。
そのときに、確実に地獄に落ちるw
死んで天国へ行きました、めでたしめでたしのハッピーエンドにしたいなら、抜け荷やらずにまっとうな商売で生きるのが良いw
もっとも、役人に賄賂とか贈って既得権益争いをするのが、まっとうな人生とはとても言えないと思うがw

そもそも「抜け荷」は、神様がやっちゃだめって決めたものでなく、当時の独裁権力である幕府という「人間」が決めた事。
自分たちが利益を独占したかったり、あるいは「阿片」という、まぁ今で言えば覚せい剤でしょうか、そういうものが江戸に入ってこないようにするためだけに決めたもの。
それを「悪」と決め付ける、神様もどうかと思うがw

このように、非常に「リアル」な江戸商人の人生が楽しめる。
もっとも商売が軌道にのって、嫁もできて、子供もできて、金持ちにもなった人生の後半は、やる事がなくてダレるのだが、これはどんなシミュレーションゲームでも同じなので、仕方ないと思う。

吉原という、今で言えばまぁ新宿歌舞伎町の風俗街だろうか、そこの「花魁」、今で言えば「ソープ嬢」だろうか、それを身請けして嫁や妾という名の愛人にする事もできる。
当然、大量の金が必要だ。
ヤクザからソープ嬢を買うわけだからw

私はかわいそうなので、その元ソープ嬢を正妻にして、愛人とか一切作らず、嫁にして以降は一切吉原に通わず、1男3女をもうけて人生終わった事もあるw
抜け荷とか結構やったが、とういうかそれで稼がないと若いうちに花魁の身請けなんてできないわけだが、天国へ行けたw

このゲームがどれだけ江戸の世界を正確に表現してるのか分からないが、結構いまの世の中と同じだなぁと思える。
日本はわりと賄賂とか汚職とか、海外に比べて少ないとか言われてるが、やっぱり今でも饅頭の下に小判を隠した手土産を持って行くみたいな事はあるw
口では「反社会的な組織との付き合いなんてけしからん!」とか言ってても、実際は多くの企業はもちろん、個人経営の店でさえ、そういうのはある。
私がかつてまじめに社会人してた頃は、とある某新宿の大手の店は、毎年年末に地元の暴力団だと思うが、そこからしめ飾りを買っていた。
ヤクザへの賄賂だw
あるいは横浜という都会の、外れの田舎町で育ったわけだが、子供の頃にそこで個人経営のお店をしている友達から、親が地元のヤクザみたいなのに、毎月ショバ代を払っていると聞いた事があるw
つまり現代でも、このゲームにあるような役人やヤクザとのもちつもたれつの、汚い関係はあるのだw

進歩したのは科学技術だけなのだよ、現代の人類ってのはw

そんな事を感じられるゲームでもありますw


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