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義務教育でのプログラミング授業の必修化

先日、英語教育が小学校から必修化されることに、苦言を呈したわけだが、同じくプログラミングの必修化についても、ニュースをやっていたので。

英語教育と違って、プログラミングの必修化には、大いに賛同する。
別に私がコンピュータオタクであるとか、プログラマの端くれみたいな仕事を長年やっていたとか、そういう事で贔屓しているわけじゃない。
理由がきちんとある。

まずプログラムというのは、使う開発言語の命令語や文法を知っているだけでは作れない。
勘違いしている人が多いが、プログラミングに一番必要なのは、結果に至るまでの道筋を考えられるか、組み立てられるかである。

例えば、簡単な例で行くと、データの並び順や体裁を指定されたフォーマットに整えるというのがある。
これは、システム開発をしている会社で一番多く出される案件の一部である。
というのも、この世には様々なシステムが動いており、そのためデータの保管形式が違う。
特にここ最近多い、会社同士の吸収合併などをすると、2つの会社で違うフォーマットのデータを統一して扱わなければならない。
A社は時間・商品名・商品コード・値段・消費税の順番で売り上げデータを管理していたが、B者は商品名・値段・消費税・商品コード・時間の順番で売り上げデータを管理していた場合、両社のシステムを統合する際に、お店のPOSレジから送られてくる、この形式の異なる2つの売り上げデータのフォーマットを統一しなければならない。
このフォーマット変換は、すんげー難しいプログラムを組まなければならないものではなく、大抵は「バッチ処理」と言われる、WindowsのDOSコマンドやUNIXのコマンドなどを組み合わせた拡張子が「.bat」になるような、テキスト形式のファイルを作る事になる。
CだのJavaだのの開発言語を使わなくても、OSのコマンドの組み合わせだけのバッチファイルも、立派なプログラムではある。

こういう簡単なものでさえ、何をどうすれば指定されたフォーマットに、不具合なく効率的に変換できるか?というのが考えられない人には作れない。
まずこれをあーして、その次にあれをこーしてみたいな、そういう「手順」を、プログラミングの世界ではフローチャートなどと言うが、そういうものが頭の中で書ける人じゃないと、いくら難しい開発言語の命令語や文法を知っていても、プログラマとして仕事はできない。

つまり、プログラミングの授業を行うと、理論的な思考、物事を順序立てて考える方法が身に付くというわけだ。
これは、別に将来プログラマにならなくても、多くの場面で役に立つ。
覚えた命令語やコンピュータの仕組みは無駄になっても、この「思考方法」は多くの職業で使えるのだ。
日常生活でも役に立つ。
こういう理論的な思考が出来る人は、まず「詐欺」に引っかからない。
なぜなら、詐欺というのは理論的に考えれば、どこかおかしいというのが必ずあるからだ。

おそらく令和以降の子供達は、非常に賢い子になると思うw

ちなみにプログラマになる場合、この物事を順序立てて理論的に考えられる力があるのは最低条件である。
仕事でそれをやるなら、その考え方に穴は無いのか?例外などはないのか?という確認も必要になる。
なぜなら、これらは不具合の原因になるからだ。
これをこうしてあーすれば、確実にこうなる と言う処理を考えられなければならない。
更に、最近ではあまり求められないが、特にゲームのプログラムとか作る人は、より「効率的」な処理を考えられる必要がある。
メモリやHDDは無限ではない。
CPUだって光の速さで、何でもかんでも一瞬で処理できるわけじゃない。
限られた容量やCPU能力で、不具合がない上に最高のスピードで処理できるプログラムを作れる人が、真のプログラマだと私は今でも思っている。

これをあーするには、という課題に対して、複数の道筋を考えられ、更にその中で最も効率良いのはどれか?もっともメモリを食わないのはどれか?というのを選定できる人。
プログララミングを極めるという事は、職人と同じぐらいの経験と試行錯誤が必要なのだ。

テレビがこう言ってるから、野党の政治家が反対してるから、きっと悪いものだ、悪い人なんだ。
そういう騙され方をする人も減るw

プログラミングの授業の内容が、具体的にどういうものになるかは分からないが、将来使うかどうかも分からない、無駄な命令語や文法を暗記させるような事だけは、しないで欲しいと思う。
むしろ辞書やインターネットで検索しながらでも、課題を実現できるような処理方法を考えられる力がつくような授業にして欲しいと思う。

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