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完璧症候群

完璧症候群とは、日本人の民族病である。
ちなみに、私が勝手に考えた名前で、通常は完璧主義などと言われる。

民族にはその長い歴史や生活してきた環境の中で、文化や価値観などの習性が、遺伝子レベルにまで刻まれたものがある。
韓国人の「火病」とか、有名だろう。
日本人の場合は、不安遺伝子という、他人と同じでない事に多大なストレスを感じる遺伝子も持つ人が多い事が、研究などで知られている。

私はこの「他人と同じでない事にストレスを感じる」以外にもうひとつ、日本人には「完璧でない事にストレスを感じる」という、「完璧症候群」とでも言うべき特性なのか習性なのか文化なのか精神疾患なのかがあると思う。

例えば、何かのゲームをしていて、クリアまで行かずに何度もリセットして最初からやり直しするような人は、この「完璧症候群」の症状が酷いと思われる。
私もそうだからだw
ゲームの仕様を理解してくると、とたんに「あー、あーすれば良かった」「こうすべきだった」「あの魔法の方を取得しとけば良かった」など、「完璧」でなかったプレイに対する「後悔」が大きくなり、続ける気が無くなってしまうのだ。

この症状、実はそれほど悪い事ではない。
MADE IN JAPANが高品質の代名詞になったのも、日本人特有のこの「完璧症候群」があったからだ。
完璧になるまで、製品の改良やシステムの改善をし続ける事を止めなかったからこその、他の追随を許さない高品質の工業製品を作る国となったのだ。

ここ最近、海外の反応でよく見られる日本の電車などの公共交通機関の運行ダイヤの正確さもそうだ。
「完璧症候群」の日本人だからこそ、実現できたものであると思う。

このように、他の国や民族から賞賛される日本人の完璧を求める姿勢や、それによって生み出される製品や文化は、日本に多大な利益をもたらしてきた。

ではこの完璧症候群が、悪い方向に働いてしまうとどうなるか?
答えは「ニート」の誕生だ。

人生というのは、コンピュータゲームのようにセーブやロードもできないし、リセットもできない。
あの時あーしておけば良かった、こーすれば良かった。
その積み重ねがストレスとなり、人生そのものに対する「やる気」が無くなってしまうのだ。

完璧症候群の悪い所は、やり直しができない場合、とたんにやる気が無くなる事、途中で修整しようとしないで、最初からやり直さないと我慢できない所にある。
もちろん、そうじゃない人も多いとは思うが。

私の場合、中学ぐらいまでは、まぁそこそこ順調な人生だったと思う。
このまま自分は、そこそこの大学に進学して、そこそこの会社に入って、そこそこの稼ぎでそこそこの女性と結婚し、そこそこの家庭を持ち、そしてそこそこの老後を送ると思っていた。
だがそれは高校生活で大幅に狂ってしまった。
別に誰が悪いわけでもない。
自分が悪いのだが。

中学校まではテスト前にちょこっと勉強すれば、平均点以上の結果が残せた。
オール5の成績ではなかったが、オール3を遥かに上回る、まぁ勉強ができる方の人間だったのだ。
ところが、高校というのは同じレベルの生徒が集まる。
今までと同じやり方では、オール3すら難しいのだ。
それに気づかなかったばかりか、中学より自由度が増した高校生活に甘えて、だらけて、テスト前の勉強すらしなくなった。
そんな状態で入れる大学なんぞ無いわけでw

しかもうちは親が厳しかったので、浪人なんぞ許されなかった。
それでも予備校の費用は自分でバイトで稼ぐからと、何とか浪人を許してもらえたが、これがまた第二の大き失敗になった。

うちは裕福な家庭ではなかったため、欲しいものはほとんど買ってもらえず、小遣いなんかもCD1枚買ったら終わりな金額しかもらえなかった。
ほとんどの家庭にあったファミコンも買ってもらえず、その反動が大人になって出たわけだが、そのぐらい抑圧された子供時代を過ごした。
なので、バイトをしたことによって、今まで手にした事も無い大金(といっても数万程度だがw)を、本来予備校費用とするところ、すべて自分の小遣いとして使ってしまったのだw

親が立て替えた予備校費用の返済のためのバイト代を使ってしまって、あせった自分は予備校よりもバイトを優先するようになる。
結果、大学受験ではどこも受からず、かといって二浪なんか許してくれるはずもなく、そもそも予備校代だったはずのバイト代はすべて自分で小遣いとして使ってしまって、ほとんど残ってないw
そんなわけで、家を追い出されたw

しばらくフリーターのような生活をしていたが、この頃から言い表しようが無いストレスを感じ始めた。
なぜなら、「完璧症候群」であるがゆえに、そこそこのレベルでも大学にはいって、そこそこの大学生活を楽しんでから、そこそこの会社の「正社員」として働くという、人生設計が頓挫してしまったからだ。

これがゲームであったら、即リセットして、生まれた時から、あるいは一番最初に躓いた高校入学時のセーブデータからやり直しただろう。
が、リアル人生というのはゲームではないので、それができない。
だからその後の人生に「やる気」というか、そういうものが無くなってしまったのだ。
それでも生きていくためには、働かなければならない。
正社員じゃないし、収入もそんなにないし、大学にはいったらできるだろうと思っていた彼女も当然できないし、そんな状態で結婚してくれる相手なんて見つかるわけないし、そもそも結婚して家族を養える身分じゃないし。
大学に入って、会社に正社員として就職して、結婚して家庭を持って子供を育てるというのは、多くの日本人が歩む、「平凡」な人生でもある。
つまり「完璧症候群」に加えて、この「平凡」からも外れてしまった、「人と違う」事に不安やストレスを感じる、日本人特有のもうひとつの精神疾患も加わった、二重苦の精神状態だった。

こうしたストレスが重なって、ついにフリーターも辞めて、引き篭もるという第一の引きニート生活が始まった。
流石に親がやばいと思って、実家に呼び戻して、ケツを叩いたので、1年ちょっとで社会復帰はしたが。
その後も、この「完璧」ではない「人生」に「やる気」が無い状態で、いやいや生きてきたので、仕事も続かないし、ニートしたり、また働き出したりを繰り返した。
その結果、ついに最後の砦であった、今までで一番長く勤めたが、正社員にはいつまで経ってもしてもらえなかった会社も辞めてしまった。
もうストレスが限界に来ていた。
リセットしたくて、たまらなかった。

これが私が引きニートをやってる理由であり、その原因に日本人特有の「完璧症候群」があったと思い至った話だw

人間をはじめとした生物の本質・本体というのは、「魂」という永遠不滅のエネルギー体のようなものであり、人は死んでも、また別の人なのか生き物として生まれ変わるという、仏教の「輪廻転生」に共感するのも、この完璧症候群による日々のストレスから逃れるためなのかも知れない。
リセットできないのであれば、せめて早くゲームオーバーになって、また新規プレイを始めたいという事だ。

まぁかといって、自殺する勇気もないんですがねw

政府は高齢ニート対策に本腰を入れようとしているが、根本にはこの日本人特有の「完璧症候群」がある事を、認識して欲しい。
最初からやり直さないと気がすまない、ストレスを感じるというこの精神疾患を、まず治療して欲しい。
完璧じゃなくても良いじゃないか、途中でもがんばって修整してやり直しをしようよって。

そういう救いを僅かに求めつつも、早く死んでしまいたいと思う日々なのである。

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