2017年冬(?)のアニメで国内・国外ともに最も評価されたアニメと言われているのが「ユーリ!!!on ICR」。
フィギュアスケート男子を題材にしたものだ。
単なる腐女子(男と男の絡み、ホモとかゲイとか好きな女性オタク)向けでなく、なんと現役フィギュアスケーターにまで絶賛されたとか。
絶賛理由のひとつに、非常に正確なフィギュアスケートの描写がされているというのがあるらしい。
アニメというのは、実写では不可能な動きができる反面、実写と見まがうかのごとくリアルな動きというのは表現しにくいのだ。
なぜなら、アニメーションというのはパラパラ漫画であり、1秒間に12~24枚程度の「絵」しか示せず、しかもそれら全てが手書きだったり、あるいは最近だとCGもあるが、基本的に人の手で1から作らなければならない。
時間や人手がいくらあっても足りないし、ましてや毎週20~25分の映像を作るのは尋常じゃない大変さだ。
よって、デフォルメされてたり不自然だったりするのは当たり前なのだが、このユーリはプロの日本人フィギュアスケート振付師をアドバイザーに招いて、かなり本格的に作られているらしい。
そこが、リアルの世界のフィギュアスケーターが絶賛する映像につながっているのだろう。
これと似た事を個人的に経験した事がある。
実は私はキャプテン翼が流行る前から、少年サッカーをやっていた。
キャプテン翼は漫画であり、しかもどちらかと言えば上記のユーリに比べて、ぶっとんだ内容だった。
少林サッカーがキャプテン翼の実写版と言われるぐらいだから、どんだけあり得ないサッカー漫画だったか分かるだろう。
しかし、実はその絵は非常にリアリティに溢れていた。
キャプテン翼のヒット以降、多くのサッカー漫画が出たが、キャプテン翼ほど迫力があってリアルで、まるで本当に真似できそうな人物の動きを描いた漫画はなかった。
シュートシーンひとつとっても、キャプテン翼以外のサッカー漫画はどこか不自然さがあった。
シュートする時にこんな格好にならないよね?とか、実際にサッカーをやってる人ならより分かると思うが、明らかにおかしい。
パースが狂ってるとかそういうんじゃなくて、うまくいえないが不自然なのだ。
だからこそ、キャプテン翼はあれだけヒットし、後にそれに影響された多くの少年によってJリーグができ、日本のサッカーのレベルを大幅に引き上げる原動力になったのだ。
今の日本のサッカーは、キャプテン翼によって作られたと言っても過言ではない。
それと同じ事がユーリにあるらしいのだ。
私はフィギュアスケートは別に好きでもないし、やった事もないので良くわからないが、そういうリアルさというか不自然さのないスケートのアニメーションにプロの人達は感動したのだと思う。
かつてサッカー少年達を感激させたキャプテン翼のように。
残念ながらユーリは原作のないオリジナルアニメであるため、非常に短い。
これによってフィギュアスケーターになろうという少年あるいは少女が爆発的に増えるまでには至らないであろう。
そもそも日本のフィギュアスケートは、かつてのサッカーと違って今でも十分世界レベルだし。
ただ漫画もアニメも、ある程度のリアリティ、許容できる範囲の動きでないと不自然さがどこかに残り、ウケないのだと思った次第。
この点は宮崎駿なども、ものすごく重視するらしい。
天に浮かぶ島の端でくるくるまわって端まで行っても落ちないという非常に不自然な動きも、まったく不自然さを感じさせない表現で描いているのを見ても分かると思う。
アニメや漫画の製作に携わっている人は、ぜひとも覚えておいて欲しい。
けものフレンズ、放送は終わってしまいましたが低予算アニメとしては異例の大ヒットとなりました。
あのMMDで作ったような3Dキャラを、ここまで魅力的にしているのは、やはり声優の演技力でしょう。
このアニメに出てくるトキという、佐渡で飼育されている絶滅危惧種として有名な鳥が居ます。
このトキの声、なんと金田朋子がやってるとのこと。
金田朋子といえば、甲高い超音波音声で有名な人ですが、このトキ役では物静かな囁くようなしゃべり方をしており、気づかない人が多かったと思います。
まぁあの歌を聴けば、ああw金朋だwwwと思えるわけですが。
このように声優さんは、一種類の声やトーンやしゃべり方だけでなく、様々な役がこなせる人が多いです。
かつてエヴァンゲリオンで、それまで元気な女の子役ばかりだった当時の一番人気の女性声優である林原めぐみが、綾波レイというクールかつ無表情な役を見事にこなして、ファンを驚かせた事もあります。
また最近では艦これで、複数の異なる艦娘を同じ声優がそれとは気づかせずに演じるなど、たんに特徴的な声だったり、台詞が棒読みにならない技術力だけじゃない事を思い知らされます。
声がかわいいorかっこいい、演技が上手いのは当たり前であり、それにプラスアルファでどんな役でもこなせる、非常に幅の広い声帯を持つ人が近年多くなっているように思います。
これは一声聞いただけで、「ああ、あの人だ」と分かる昭和時代のベテラン声優とは対照的でしょう。
特に若手女性声優は、この傾向が強いようです。
ちなみに男性声優で一番声帯が広いと言われているのは、山寺宏一です。
ただ銀魂の主人公の銀さんを演じる人気男性声優である杉田智和は、ほかの声優の声真似が上手い事で知られていますし、ベテラン男性声優である神谷明などは、北斗の拳のケンシロウという渋い男らしいキャラと、キン肉マンというおちゃらけたお笑いキャラの両方を演じた事で、当時小学生だった私達を驚かせた事がありますw
え?ケンシロウときん肉マンって同じ人なの?とw
声優をこれから目指す人は、演技力はもちろんですが、このように「え?あのキャラとあのキャラ同じ人が声やってんの?信じられないw」と言われるような幅の広さを持てるようにすべきでしょう。
それが最近の流れっぽいです。
銀河英雄伝説は、田中芳樹による長編小説です。
田中芳樹は「アルスラーン戦記」など、架空の歴史戦乱小説ものを得意としています。
挿絵が少女漫画のようなイラストだったり、比較的若い人向けの文庫として出版されている事から、ライトノベルだとおもわれがちですが、舞台背景や登場人物の多さ、その緻密なストーリーなどとてもじゃないですが、ラノベなんて言うのは失礼なほどの本格的な小説です。
私は原作は読んだ事はありませんが、OVAや劇場版やスピンオフ作品などでアニメ化されており、そちらはほぼ全て閲覧しました。
この銀河英雄伝説のOVAアニメは、なんと本編だけで110話もある大作で、関連作品すべて合わせると200話を超えるほどです。
昨今のラノベのアニメ化のように、十数話で終わりなものとは格が違うと言って良いでしょう。
もちろん、ただダラダラと長いだけではありません。
架空の戦記ものであり、登場人物の数が半端なく、それぞれの性格や思想など非常に細かく設定されいます。
これを本当に一人で考えて書いたのかと思うぐらいです。
このため、現在の日本の声優で名の知られた人、特に男性声優はこのOVAが作られた時期に既に声優だった人はほぼ全て参加しているぐらいです。
非常に面白い作品であり、是非とも一度はOVAだけでも全て見て頂きたいお勧めです。
私も最初見たときに好きなれなかった昭和の時代の少女漫画のような絵柄や、今でこそベジータ役などで有名一流声優として活躍する堀川亮 がまだ新人だったのか、台詞が棒読みっぽくて「なんだこの駄作は」と思ったほどですが、その雄大で緻密なストーリーに引き込まれ、関連作品まで全てを見てしまうほどはまってしまいました。
このアニメ作品は、私の軍隊や政治などの思想に大きく影響を及ぼしたほどです。
二大陣営の、比較的現実的な大戦争の物語というと、「ガンダム」などが有名ですが、あれよりも勝っていると思います。
どちらの陣営、どの人物にもそれぞれの正義があり、どちらが悪者というわけではない、という点ではガンダムなどと共通のテーマというか舞台設定ですが、銀河英雄伝説の場合はもう少し踏み込んで、戦争とは?権力とは?人類とは何なのか?までが描かれています。
ガンダムと同じく近未来の話ですが、現代からそこへ至るまでの科学技術や政治など人類の架空の歴史まで設定されているほどの懲りようです。
それと同時に現代にも当てはまるような、思想・信条について複数の見解が入っています。
中世まで世界の政治の主流であった絶対王政と、現代の主流である民主共和制。
途中からこの絶対王政は名君により新しい王朝が建てられ、非常に効率的で民衆のためになる善政が敷かれます。
対して民主共和制の方は腐敗が進み、遂にはこの絶対王政の帝国に戦争でも敗れて滅亡してしまいます。
名君の運営する絶対王政と、腐敗の進んだ民主共和制、はたしてどちらが民衆にとって良いか?という非常に難しい命題。
また戦争とは何かなどなど。
この作品で、恐らく作者の主張なのでしょうがことあるごとに、民主共和制側の主人公であるヤン・ウェンリーによって述べられる軍隊のシビリアンコントロール、すなわち文民統制の必要性と堅持。
これは私の軍隊に対する考えに大きく影響を及ぼしました。
物語は若い2人の異なる陣営に属する天才的な軍人が、その才覚をあらわし始めた頃から始まり、戦闘だけでなく政治や人間ドラマなど様々な話を交えて、最後は2人の英雄がその一生を終えた所で終わります。
一人はテロにより暗殺され、一人は「天才や聖人は長生きできない」という法則にのっとり謎の病にて中年にも満たない歳で死んでしまいます。
しかしそこへ至るまで100話もあるわけです。
見ごたえばっちりです。
学生などのいわゆる「子供」なら夏休みなどの長期休暇に、社会人などの「大人」ならば定年退職後などに、暇つぶしでも良いので見ると楽しめると思います。
リトルウィッチ アカデミアは日本製のアニメではあるが、欧米で非常に評価が高い。
日本でもそれなりに評価はされているが、欧米ほどではない。
リトルウィッチ アカデミアがここまで欧米で高評価なのは、
1.世界観やストーリーが欧米で大人気のハリー・ポッターを彷彿とさせ、馴染み深い
2.キャラクターデザイン・動き・色使いが欧米のアニメに近い
というのが理由だと思われる。
過去にも日本でより欧米(の主に大きなお友達w)で人気が高かったアニメには、
☆エルフェンリート
☆進撃の巨人
☆ワンパンマン
などがある。
これらとリトルウィッチ・アカデミアとは、「欧米人が好みそうな世界観・ストーリー」というのが共通している。
日本のアニメは大人でも楽しめるものとして、海外のそれとは大きく異なると言われている。
しかし日本のアニメは大人でも楽しめるが、変なリアリティ重視や、暗い世界観・ストーリーのものは少なく、あくまで見ていて良い気分、楽しい気持ちになれるものが好まれる傾向にある。
そのため欧米人の好む血しぶきブシャーのグロい表現とか、絶望しかないような世界観とか、そういうのはあまりないのだ。
また、ワンパンマンのように最初から最強で、敵をどんどん簡単にぶっ飛ばす系も少ない。
なぜなら日本のアニメには日本的な道徳観が深く根付いている(これは漫画からしてそうだが)ため、努力してこそ強くなれるという少年ジャンプの王道的なストーリーが多いためだろう。
エリフェンリートや進撃の巨人のように、グロ表現が多い、人が簡単に死んでしかも生き返られないなどのリアル設定。
これらの日本人にはあまりウケないが、欧米人には非常にウケるのである。
これらリアルグロ路線と、リトルウィッチアカデミアは異なるが、別の意味で欧米的なのである。
いわゆるディズニー路線とでも言おうか。
欧米的ファンタジーアニメに非常に近い。
キャラクターの表情の変化や、動きの演出、映像の色使いなど非常にディズニーのような欧米アニメを意識していると思われる部分が多い。
そこが逆に日本人にとってはあまり評価されない、人によっては糞アニメだと思われてしまう部分だと思う。
ただ最近は、特に萌えアニメや日常系アニメは欧米人も日本人も好みの差がなくなって来ているとも感じる。
萌えアニメの代表である「ごちうさ」など、欧米でもブヒブヒ言ってるのは沢山おり、ロリキャラなどをピーしたいとか言ってる「海外の俺ら」も増えているらしいw
アニメの影響というのは、日本人が考える以上に世界の人々に与えるものは大きい。
ちなみに世界的にも評価の高い「宮崎駿アニメ」も、キャラクターの動きという点では日本より欧米ディズニーに近いものがある。
こういった馴染み深いものと、日本独自の世界観やストーリーが日本アニメの代表と評価されている所以だと思う。
リトルウィッチアカデミアは見た目はあまり好きになれない日本人は多いかもしれないが、話は面白いし決して手抜きアニメではないので、お勧めしたい。
ちなみに今期の他のお勧めは
☆小林さんちのメイドラゴン
がダントツで次点で
☆亜人ちゃんは語りたい
☆ガブリール ドロップアウト
だろうか。
特に小林さんちのメイドラゴンは登場キャラクターが全員かわいくて、生きるがつらいぐらいであるw
今期イチオシのアニメです。
同じような日常子育て(?)アニメに「甘々と稲妻」というのがすぐ前にありましたが、あちらはストーリーが私にはたいくつすぎてダメでした。
子供はかわいかったんですけどねぇ。
うどんの国の金色毛鞠の方は子供はタヌキが化けた男の子で、実子どころかもはや人間ですらありませんがw
かわいいです。
ストーリーも起伏に富んでおり、子供が欲しくなるアニメと言ってもいいでしょう。
いやね、正直私も、あんなかわいい息子(娘でも可)が居たら、めちゃくちゃがんばって働くと思うんですわ。
人って自分ためにがんばるのは難しいですが、大切な何かの為になら限界超えてもがんばれるもんだと思うんです。
ブラック企業で自殺しちゃう人の殆どは、「独身」なのもそれをあらわしているんじゃないかと。
うどん県で有名な香川県の観光PRも兼ねてるようですが、うどんや観光の要素はほとんど気になりません。
わざとらしく名前だして温泉入ってっていう、推理ドラマのようにうっとしいほどの宣伝はありません。
純粋に綺麗な田舎で、かわいい子供と人生にちょっと疲れてしまったアラサーの男のふれ合い物語です。
とにかく見所は、化けダヌキの子供である「ポコ」のかわいらしさです。
まじで「ポコ」がかわいすぎて生きるのが辛くなるぐらいですw
まぁ男の子ですから、エロい感情は沸きませんので、そういうのを求める人は「ごちうさ」でも見てくださいw
ケモショタとか最高じゃん!とかいう変態も、そういう目でこの作品を見ないでくださいw
主人公(?)はもともと香川県民で、父親の反対を押し切って東京でWebデザイナーをしていた青年です。
ちょっとだけ東京の会社の場面も出てきます。
納期に追われて会社で寝泊りとか、懐かしいっすわ、同じような業界に居た人間からするとw
ブラックでもなんでもなく、IT系企業ってみんなあんなかんじですよねー。
あんなに会社は綺麗じゃないですけどw
わたしも会社の椅子を並べて寝たことありますw
でもやっぱりよほど根性のある人じゃないと続かないんですよね。
心が折れてしまいます。
でも「ポコ」みたいなかわいい子が居たら、もっとがんばれたのかなぁとw
自分はもういつ死んでもいいや状態ですが、自分が死んだらこの子も死んでしまう。
そういう大切で守らなければならない存在が居たら、根性無しの私でもまっとうに社会人として、それこそ死ぬ気で働き続けられたのかなぁと。
愚痴が混ざりましたすいません。
とにかく良い作品なので見て下さい。